私の仕事は、写真スタジオの裏方。
Photoshopを使って、写真の編集をしている。
写真を整える仕事には、決まった正解がありません。
Photoshopには分厚いマニュアルがあって、どの機能が何をするのかは丁寧に書かれているのに、仕上がりの「ちょうどよさ」だけは、どこにも書かれていない。
服のシワを少しだけ伸ばす。
髪の毛のハネを一本だけ整える。
ニキビ跡を柔らかくする。
どれも「直した」と気づかれないくらいがいい。
その人の雰囲気を壊さないように、そっと、ほんの少しだけ手を加える。
古い写真の修復をしていると、画面の向こうの人の時間を感じる瞬間があって。
どんな人生だったんだろうと思ったりする。
色あせた写真に少しずつ色が戻っていくと、写真の中の人が喜んでいるような気がして嬉しくなる。
Photoshopは技術のソフトではあるけれど、 最終的にものを言うのは“目”と“感覚”。
写真を整えるという仕事は、 画面の向こうにいる“人”にそっと触れる仕事といえるかもしれない。
だからこの仕事は、静かで、深くて、 そして、やっぱり面白い。

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