夏になると、眠りが細切れになる。 エアコンの音、室温のわずかな変化、汗の気配。 どれも小さなことなのに、夜中の体は敏感で、すぐに目が覚めてしまう。
寝る前は「今日はちゃんと眠れるはず」と思って布団に入る。 でも、数時間後には汗がじわっと浮いてきて、体が先に起きてしまう。 目を開けると、部屋の空気が重い。 エアコンのタイマーが切れているのを確認して、またスイッチを入れる。 そのまま眠りに戻れる日もあれば、しばらく体の熱が引かずに寝返りを繰り返す日もある。
夏の夜は、眠りがひと続きにならない。 「寝たはずなのに疲れている」という朝が増える。 睡眠の質が気温に左右されるなんて、若い頃はあまり意識していなかった。 けれど今は、体の反応がはっきりしていて、季節の影響をそのまま受け取ってしまう。
夜中に起きるたび、エアコンのリモコンを手探りで探す。 温度を少し下げるか、風量を弱くするか、タイマーを延長するか。 眠りながら調整しているような、半分夢の中の作業。 その繰り返しが、夏の夜の“儀式”みたいになっている。
朝になって、カーテン越しの光を見ながら思う。 「ちゃんと寝たっけ」。 夏は、睡眠のリズムまで奪っていく季節なんだなぁ。
歳とると寝つきが悪くなって眠りが浅くなるというけど、ほんとそう。体は眠りを欲しているのに頭は起きているような変な感覚。でも、気にしすぎると本当に眠れなくなる。
だから、夜中に起きることを責めないようにしている。 体が暑さに反応しているだけで、悪いわけじゃない。 エアコンをつけっぱなしにする日があってもいいし、保冷材を抱えて寝る日があってもいい。 夏の夜は、体に合わせてゆるく過ごすしかない。
とにかくバテないように。6割くらいの力加減でしばらく暮らすつもり。


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